賃貸物件を契約する際に、保険の契約も同時に行う事が多いと思います。
火災保険、家財保険、住宅総合保険等色々な呼ばれ方をしていますがどのような物なのか、なぜ入れと言われるのかについて解説します。
ネット上には匿名の無責任な情報が散見されますのでどのような物か、なぜ入会を勧められるか理解しておくことが大切です。
賃貸物件契約の際の保険
契約時の保険ですが実際の条件はいくつかあります。
多いのが「管理会社指定の保険」に加入ですが、「保険会社自由選択可能」や「保険料不要」の物件も存在します。
どうしても「管理会社指定保険」に入りたくない場合、保険を自由に選べる物件を選択する事は可能です。
「保険自由選択の物件のみ紹介して欲しい」とお伝えください。
いくつかの種類が含まれた保険
様々な保険会社が存在しますので、当社取り扱いの保険を参考に解説します。
賃貸物件入居の際の保険ですが、いくつかの保険が含まれています。
自分に対する保険
ご自分の家財が対象となる保険で、例えば雨や漏水で家電が破損した場合等が対象になります。
簡単に言うと「自分の財産に対する保険」になります。
保険金額にもよりますが、一般的に数百万円が限度で保証されます(保険金額により変動)。
他者に対する保険
一般的に借家人賠償責任保険、個人賠償責任保険と言われています。
水漏れをさせて下の人に被害を与えた、洗面台を破損させた等の、自分の過失で他者や物件に与えた損害が対象です。
あまり考えたくないですが、自ら失火してしまった際もこの保険です。
金額は当社の保険の場合、限度額が1000万円固定です。
借家人賠償責任保険は借りている建物に与えた損害の補償で、例えば水漏れでクロスがはがれてしまった場合等が対象です。
個人賠償責任保険は建物以外の「物」や、「人」に与えた損害が対象です。
意外にに自転車事故も補償される事があります。
例を考えると上階の入居者の過失で水漏れを起こしてしまい、建物と下の階の住人に被害を与えたとします。
その際建物の復旧費用は借家人賠償、下の方への弁償は個人賠償として支払い義務が生じ保険で支払うことができます。
※保険会社による調査と査定は必要で、必ずしも全額出るとは限りません。
火災保険との違い
火災保険は「大家さんが入っているはずだから入居者は入る必要はない」との書き込みを見かけます。
確かに火災保険は建物の所有者、つまり大家さんの保険なので入居者は関係ありません。
賃貸物件の入居者が入る保険はそもそも全く違う保険で、保証される対象も異なります。
なぜか火災保険と呼ぶ人が多いので、通称化して混同されています。
なぜ入らないといけないのか
個人賠償や借家人賠償の為に保険を義務付けられていると言って良いです。
極端な言い方をすると、入居者の本人の家財が被害を受けても大家さんは痛くもかゆくもありません。
ですが他の入居者に被害を与えるとそうはいかず、弁償する必要があります。
最近の事例ですが2階の方の過失の漏水で、建物と1階の方の家電等に被害がありました。
色々すたもんだしましたが、最終的に合計約30万円保険がおり個人負担は皆さん0円でした。
これ逆に考えると、保険に入っていなければ30万円弁償しないといけなかったことになります。
自動車を無保険で乗る人は少ないと思います、いくら気を付けていても避けられない事故があるからです。
同じように住んでいてもいつ何があるか、未来の予測はできません。
大きな災害は頻繁にはありませんが、水漏れ等は当社のお客様だけでも年に数回はあります・・まあ実際水漏れが一番多いのですが。
「別に30万円ぐらい気にしない」人には何も言いませんが、そうでない方は保険にご加入ください。
※その時の金額は30万円でしたが上限ではありません。被害によっては更に高額になりえます。
保険自己選択の物件だと
保険会社を自己選択可能な物件でも、借家人賠償と個人賠償の金額制限がある場合がほとんどです。
ある程度の保証額が必要となり相場は1000万円で、他者にしっかり弁済出来る金額の保険に入る必要があるわけです。
余談ですが昨年に相場より安い保険に入られた方が居て、確認すると借家人賠償と個人賠償のみで自身の対象は全く無しの「リアル自己責任」保険でした。
管理会社に確認すると「こちらはOKだけど、この人それで良いの?」と言われましたが・・。
ケースバイケースですが、そんな極端な保険でも承認が出た事例はあります。
管理会社指定保険の理由
ネットには「不動産屋の売り上げのためだ!」とか、閲覧数目的の無責任な書き込みがあります。
売上が無いとはいいませんが、本当の理由は各自バラバラの保険だと管理ができないからです。
最も懸念なのが、保険の更新忘れです。
きちんと更新してくれていれば良いのですが、忘れる人が多いです(しかもかなり)。
一般的に保険は期限が近づくと手紙かメールで通知がきますが、見てもそのまま忘れたり見てすらない人が多いのです。
そしてそのまま期限が来ると当然無保険になります。
管理会社の保険だと通常は管理会社にも通知が来るので把握できますし、お部屋の更新と同時にするので忘れるリスクが少ないです。
入居者各自個人で契約していると契約期間もバラバラなので、管理が非常に困難になります。
某大手の事例では以前は自由選択可能にしていたのですが、保険切れトラブルが発生して「必ず管理会社保険」に変更しました。
社員がたくさんいる大手でも難しんだろうと思います。
また、いざトラブルが発生した場合も管理会社保険だとスムーズです。
請求も管理会社がかなり手続きしてくれますし、入居者皆さん同じ保険会社なので色々スムーズです。
「これは上の人の保険、ここからは下の人の保険」等色々な事態が想定されますが、同じ保険会社だと「どうせ全部うちが払うんで上手い事割り振ります」と言われたことがあります。
保険会社が違うと保険会社間の交渉やら色々入りそうなので、こうはいかなそうです。
保険料不要の物件とは
ごく少数ですが、保険料不要の物件があります。
これ多くは保険に入ってないのではなく、保険単体として契約をしていないだけです。
その他の入居者サポートとセットになっていたりで、実は何らかの保険に加入しているのです。
料金は契約時に「保険料」としては支払っていませんが、毎月サポート料金等の名目で引き落としされたり家賃等に含まれていたり様々です。
家賃に含まれていると見た目は無料には見えますが、無保険で入居している訳ではないのです。
現状真っ当な不動産業者の扱う物件では、無保険を許可するケースはほぼないです(真っ当じゃない所は知りません)。
保険は保険
何もないに越したことはないのですが、いざと言う時の為の保険です。
ほとんどの契約書に「保険加入義務」の項目や特約があり、条件は様々ですがほぼ全ての物件に何かはあります。
つまり「指定の保険に入らないと契約しません」なのです。
どうしても納得いかないなら交渉するのは難しいので、元から自由選択可能な物件から選んでください。
物件の選択肢は少なくなりますが仕方ありません。
ちなみに法人契約の場合は制限が緩くなり、管理会社指定でなくても可能なケースが多いです。
「さすがに会社だと更新し忘れないよね」と判断されますし、近年多くの法人さんが法人包括保険に加入していて個別で保険に入る必要がないからです。
退去の際の注意点
多くの場合基本的に入居中が対象になっている保険なので、退去して解約した後は保証されません。
つまり入居中の破損では、申告して保険が出れば無料で治せる可能性があります。
これが破損を放置したまま退去すると、退去後の現状回復で費用が発生します。
ただ、保険は申告してもすぐ支払われるとは限らず、特に災害の多い時期は待たされて数カ月かかることもあります。
破損させたらすぐに管理会社に連絡して、保険が使えるか確認してください。


