年末に大掃除する習慣がありますが、12月末は寒いですよね?
毎年もっと早く寒くなる前にしておけばよかったと思いますし、気温が下がると汚れが落ちにくくなります。
お掃除は化学です。
力ずくでゴシゴシしなくても、工夫をすればかなり落とすことができます。
効果的な洗剤の選択
基本中の基本は、汚れにより洗剤を選ぶ事です。
汚れには酸性の汚れとアルカリ性の汚れがあり、それぞれ効果的な洗剤が異なります。
ネットで「業務用」や「プロ仕様」と書かれた強力な洗剤が購入できますが、まずはいきなり強力な洗剤を試さず手軽な市販品から試すと良いと思います。
洗剤の種類
洗剤自体が用途別に販売されているので、基本的にはそれに従うととりあえずは大丈夫です。
キッチンなどの油は酸性なのでアルカリ性の洗剤、お風呂の石鹸カスなどのアルカリ性の汚れは酸性の洗剤を使用します。
他にカビ取り剤(強アルカリ性)やクエン酸(酸性)や重曹(アルカリ性)の、溶液等特化型のスプレーがあります。
中性洗剤は幅広い用途で使えますが、効果は劣ります。
掃除の手順
まず共通なのは、簡単に落とせる表面のホコリや汚れをを除去します。
水を流せる場所は水で流してから水拭き、お湯を使うと更に効果的です。
どんな掃除も基本はここからで、手強いボスの前にザコを処理しましょう。
キッチンの掃除
キッチンには複数の汚れがありますが、まずは油汚れから落とします。
私はとりあえずマジックリンを使用し、頑固な汚れは数分置いてからふき取ります。
油汚れはそのまま流すと詰まる原因になるので、大まかに不要な紙でふき取ると良いです。
新聞紙が有れば良いですが、破れて不要なパンツや靴下等の柔らかい布でも良いです。
ほぼ油汚れがメインだと思うので、ふき取るだけでかなり落ちるはずです。
更に手強い汚れ
マジックリンでも落ちない強力な汚れには、より強力な溶剤を使用します。
キッチンハイターやカビキラーは強アルカリ性で、かなりの洗浄力です。
ただ、強力な洗剤は注意が必要で手に着くと荒れますし、混ぜると危険なので必ず単体で使用してください。
ちなみに泡ハイターは液だれしにくく便利、カビキラーは強力なので好みで使い分けると良いです。
それでも落ちない汚れ
強アルカリ性溶液で落ちないとなると相当強力な汚れ、正にララスボスと言えます。
こうなると時間と温度を味方につけましょう。
まずはお湯ですが、熱湯をそのままかけるのはよろしくないので少し冷ましてから使用します。
汚れの部分に雑巾など布を当ててお湯をかけ、その上からラップを被せます。
要するにスチーム掃除機の要領です。
これで若干汚れが弱るので、マジックリンからもう一度試します。
最終手段はクレンザーですが、傷をつけてしまう事があるのであまりしたくはないです。
力ずくでこするより、時間をかけて繰り返す方が良いと思います。
お風呂の掃除
浴室は複数の汚れが混在している場所で、効果別に溶剤を分けて使用します。
まずは浴室専用石鹸、私はバスマジックリンを使用します。
専用の洗剤を使用するのはここでも基本中の基本で、しつこい汚れは洗剤をかけて5分程度放置してからこすります。
キッチン掃除との違いは、ある程度こすらないと落ちない汚れが多い点です。
ただ力ずくでこすると傷ができるので、軽く何度もこすりましょう。
ここでもカビ取り
石鹸カスなどは酸性の溶剤を使用しますが、カビや皮脂汚れなどはアルカリ性が効果的です。
浴室用洗剤で落ちない汚れはここでもハイターやカビキラーの出番になります。
ただし酸性とアルカリ性を混ぜるのは非常に危険なので、完全に洗い流してから使用してください。
更にしつこい汚れ
次は再び酸性洗剤の出番です。
ただ、いきなり強力な物を使用する前にクエン酸を使用した洗剤を試してください。
高価な製品でなくてもダイソーで売ってます。
ダイソーだけでもジェルタイプ等様々な商品が有るので、色々試すと良いです。
何度も言いますが、アルカリ性洗剤とは絶対に混ぜないでください。
最終手段
浴室用途の洗剤でどうしても落ちない汚れの最終手段が、強酸性洗剤サンポールです。
サンポールはトイレ用洗剤ですが、他用途に使用できなくはないです。
ただサンポールは塩酸濃度9.5%の一般販売可能なギリギリの劇薬です。
変色したりするリスクが高いので、注意して使用してください。
そしてしつこいですが、絶対に他と混ぜないでください。
ちなみに私は浴室にサンポールは使いません、使うような状態になる前に掃除しているからです。
使用方法ですが、浴室内の白い固まりや、床の黒ずみ等のアルカリ性汚れに効果が有るとされます。
さっとかける、さっとこする、すぐに流す、以上です。
強力なので放置するとあちこち変色のリスクが高まりますし、素材によってはちょっとかかっただけで変色するかもしれません。
もちろん手に着くと荒れます。
また、臭いもキツイので換気もしっかり行ってください。
サンポールは通常市販されている溶剤では最強レベルの劇薬です、こんなものを使用しないで済む状態を保ってください。
トイレ掃除
トイレ掃除でまずお伝えしないといけないのが、流せるシートは使用しないでください。
製品により差はありますが、流せるシートは流れません、詰まる事があります。
まずは便器
基本はやはりトイレ専用洗剤で掃除します。
こする必要がある物、放置して流すだけの物色々ありますが、まずは用途にしたがって使用してください。
トイレ専用洗剤は強力なので、ある程度はこれで落ちると思います。
最後の砦サンポール
通常のトイレ洗剤で落ちない汚れは、サンポールの出番となります。
サンポール本来の用途ですが、強力なので使用上の注意を守って使用してください。
ちなみにサンポールで落ちない汚れは、市販品ではほとんど落ちないと思います。
便器以外の掃除
便器以外の掃除が終わると、便器以外の掃除をしていきます。
ほとんどの場合便器よりはキレイなので、トイレマジックリン等を少量使用すればキレイになると思います。
ただ、男性が立って使用している場合、クロスに黄ばみが生じている可能性があります。
トイレに限らずクロスの汚れは酷くなると100%は落とせません。
賃貸だと退去時に張り替えの費用が発生する可能性があるので、落ちなくなる前に定期的な清掃をしてください。
その他のお部屋
水回り以外の「普通の」お部屋ですが、マジックリンは強力過ぎるので基本的に中性洗剤を使用します。
マイペット(弱アルカリ性)やウタマロクリーナー(中性)などが該当します。
掃除機をかけた後一度水拭きをして、それから洗剤を使用します。
裸足で歩いているお部屋は皮脂がついているので、水拭きだけだと落ち切らない可能性があります。
私は掃除機の後にお掃除シート(クイックルワイパー水拭きタイプ)で掃除していますが、定期的に掃除しているならこれで十分です。
台所
キッチンの付近は油が付着している可能性があり、しつこい油汚れはマイペットだと力不足な時があります。
私は雑巾にマジックリンを吹きかけ掃除していますが、必ず仕上げの水拭きと乾拭きを忘れないでください。
また床のコーティングやワックスが取れてしまうので、使用量は控えめにしましょう。
カビ
しつこいカビにはハイターとカビキラーの出番ではあります。
こちらはより強力な溶剤なので更に注意して使用してください。
壁のクロスには見える見えない様々な凹凸があり、汚れや黄ばみが酷くなると落とせなくなります。時間をかけても100%落とすのは困難なので、酷くなる前に掃除してください。
掃除の手順まとめ
①手始め
掃除機や水拭きをして戦場を整えます。
②専用の洗剤を使って掃除
キッチン用、お風呂用など用途に合わせた洗剤で掃除
③カビ取り剤
ハイターやカビキラーなどの強い溶剤を使用
④最後の砦
サンポールやクレンザーなどハイリスクな溶剤を使用
順番はこうなります。
④は推奨できないので、③までを繰り返すか諦めるのが良いです。
くれぐれも酸性とアルカリ性の溶剤を混ぜないようにしてください。
大惨事になりかねません。