まだお引越しシーズンには早いですが、そろそろ来年の物件探しを始めている方も居ます。
何となく「雰囲気が好きだ」「おしゃれだ」で選んでも別に良いとは思います。
感性は大切ですし、気に入ったお部屋なら不具合も我慢できるだろうからです。
ただプロ目線で見ると色々見えてくる事があり、一般の方が気づきにくいプロならではの物件の注意点を解説します。
つまりプロが選ぶ「自分が住む部屋の見学方法」とでも言いますでしょうか
室内の注意点
室内見学で最も大切なのは、そのお部屋での生活をイメージできるかです。
どんな家具をどのように配置するのか、配置した後の動線はどうなのかが重要です。
柱の部分
柱の部分が室内に張り出しているお部屋がかなりあります。
出っ張りがあると柱の部分を考慮して家具を設置する必要があり、角までぴったり家具が置けないのです。
特に鉄骨やRCの物件は柱が太いので室内に出っ張ってるケースがあります。


参考ですが上の画像のように出っ張りがあると、微妙な隙間が出来てしまいます。
気にしないなら良いですが、上手に家具を置かないと掃除しにくいです。
これ内見の時に見てない方が非常に多いです。
クローゼットの注意点
収納を見る時の注意点ですが、サイズには注意が必要です。
押入とクローゼットでは一般的に押入の方が大きく、イメージ的に押入よりクローゼットと書いてあった方がオシャレに見えますが、一部のクローゼットには布団が入らない事があります。
ベッドだとしても、夏時期に冬布団を収納する場所は必要だと思います。
また、ウォークインクローゼットは人気がありますが、手前に物を置くと奥に届きません。
つまり「ウォークインクローゼット」となっていても、縦長だと実質手前しか使えません。

コンセントの数と位置
見落としがちなのがコンセントの数と場所です。
自分がどれだけの家電を使用するかによりますが、足らないとたこ足配線をする事になり火災の元です。
枕元にはスマホ用のコンセントは欲しいので、寝る時の場所などを考えてコンセントの位置を確認すると良いです。
またTVを窓に向けて設置すると、日中逆光で見えにくくなります。
日中見ない方は関係ないかもしれませんが、チェックポイントです。
物件の設備に関して
新しければ充実してそうですが、単純にそうとも限りません。
古い物件でも入れ替えしている場合もあるので、せっかく現地に行くのですから確認すると良いです。
浴室の蛇口と給湯器
浴室の蛇口ですが、レバーが1つのものと水とお湯が沸かれている物があります。
「浴室が2レバーだと不便」とネットに書いてあるのを見ましたが、間違いです。
物件によっては温度調節できる給湯器が設置してあり、設定温度でお湯が出せます。
つまり給湯器を40℃に設定しておくと、お湯だけひねると40℃のお湯が出ます(水だけひねると水がでます)。
そもそも手元で調節する必要が無いので、お湯と水が分かれていても不便ではないのです。
写真で「2レバーだからやめよう」と考えるのではなく、現地を確認してください。
逆に1レバーでもサーモが付いていないと手元で調節する必要があり、こちらの方が不便です。
エアコンの新しい古い
5年前のエアコンを新品にして欲しいなどのご要望がありますが、5年ぐらいで交換は難しいです。
基本的に「壊れたら交換又は修理」が原則になり、「古い」だけだと余程でないと交換は応じてくれないのです。
築30年の物件でもエアコンは新品なども可能性としてはあります。
設備の新しい古いは「運」なので、現地で確認してください。
ただ明らかに汚い場合等は交渉の余地ありです。
その他現地でする確認
採寸すると良い場所
採寸には2つポイントがあります。
1つ目は「荷物の搬入が出来るか」と「設置できるか」です。
多くの物件が60㎝規格、つまり60㎝の物が搬入できる設計が主流です。
大きな棚やベッド、大型のドラム式洗濯機など60㎝を超える家具家電は、搬入可能か調べておくと安心です。
測る場所は設置予定の場所(洗濯機なら洗濯機置き場)、そして搬入経路のドアや廊下です。
もう1つはカーテンの為の採寸です。
同じサイズの窓が多いのですが、まれに変わったサイズがあるので測っておくと安心です。
自分以外の入居者
他のお客様の情報は、個人情報保護の観点からご質問いただいてもお答えできない事も多いです。
ただ駐車してある車や、駐輪場の自転車等からある程度の客層の推測はできます。
また、共有スペースにゴミやタバコの吸い殻が放置されている物件は、治安が良いとは言えません。
ベランダにゴミが放置されている、共有部分にものが多い等外からでもわかる事はたくさんあります。
判断材料の一つに
気に入ったお部屋に不具合があった場合、それをどうするのかはあなた次第です。
些細なことと目をつむるのか、諦めて他の物件にするかです。
治安などは我慢しない方が良いと思いますが・・・。