実は賃貸に限らず日本の住宅は引き戸が多い傾向にあります。
近年プライバシー的に通常のドアを希望する方も多いのですが、引き戸が多いのは多いなりの理由があります。
物理的理由と歴史的理由
まず間取りの都合で引き戸、又はドアにしないと難しいケースがあります。
引き戸は横方向にスペースが必要ですし、ドアは開けるためのスペースが必要だからです。
それ以外にも最近の賃貸物件と、昔ながらの日本家屋とでは若干理由が異なってきます。
伝統的な日本家屋の場合
伝統的な日本家屋では引き戸や襖は壁としての機能を持っていました。
伝統的とまでいかなくても昭和の日本の住宅は出来るだけ部屋数を増やしている間取りが多く、部屋同士の間は壁ではなく襖で仕切られています。
寝室などとして使用する場合は襖を閉めて、来客時などは襖を開けたり外したりして大きなスペースを確保する・・などの利用をされています。
また、襖を少し開ける事により風の通り道作ることができ、高温多湿の日本では重要な換気システムとして機能しています。
また、地震の多い日本ではドアだと枠が歪むと開かなくなるリスクがありますが、引き戸だと外せますので開ける事ができます。
物理的な理由
技術的には進歩している近年の物件でも引き戸が採用されている理由として、まずスペースの問題があります。
ドアだと開けるためにスペースを使いますが、引き戸だとギリギリまで物を置いても開閉可能です。
また、採光面で引き戸にしないといけない間取りも多いです。
特にダイニングやキッチンに窓の無い間取りだと、窓のある部屋と繋がないと日中光が入りません。
またドアの前に倒れたり、地震などで物が落ちてしまうと開けれなくなります。
高齢の方などは注意が必要です。
デメリットをメリットに
引き戸は若干プライバシーに劣るイメージですが、間取りをフレキシブルに対応できるメリットがあります。
面積の都合で間取りに制約のある場合、上手に利用すればメリットにもなります。
「何となく引き戸は嫌だ」と考えずに、上手に付き合ってみてください。
